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27.健太君の事件(1)

2012.02.14.Tue.01:00
まだまだ夏休みが続く8月初旬のことでした。
区立小学校の全校登校日に校庭に残って遊んでいた健太君に、同級生の女の子が寄ってきて、
「女の人が用事があるから校門に来てって言ってるよ」と伝えました。
ちょうどそのとき、午前11 時の学校のチャイムが鳴りました。

誰だろうと思いながら小学校から出てきた健太君に、校門の陰で待ち構えていた若い女性が近寄ってきて、
「あなた、3年1組の青井健太君ね?」と声をかけてきました。
「うん、そうだよ」と答えた途端、 「バシッ!」と派手な音がして健太君の眼の前に火花が散りました。
左のほっぺたを思いっきり激しく叩かれたのです。

健太君が茫然としているあいだに、その女性は走って逃げ去ってしまいました。

突然ひっぱたかれた意味もわからず、あまりの痛さにわっと泣きだしてしまった健太君は、職員室に駆け込んで担任の先生に事の次第を訴え、先生はあわてて警察に通報しました。

彼女のビンタは、まるでテニス選手がラケットを振りまわして渾身のウイニングショットを放ったときのように、正確かつ強力に健太君の左頬を殴っていて、しばらくすると健太君のほっぺたは真っ赤に膨れ上がり、じんじんヒリヒリする痛みは、その日一晩中、健太君の脳に響いたくらい強烈でした。

校門前で謎の女性に頼まれて健太君を呼び出した女の子や健太君の記憶から、犯人は白いTシャツとデニムのショーパン姿の若い女性だったということしか判明しませんでした。
犯人は髪の毛を後ろで束ねてキャップをかぶり、マスクをしてサングラスをかけていたので誰も顔は見ていませんでした。
身長も体型もこれといった特徴がなかったそうです。 小学生にとって若い女性は、皆ただのお姉さんに見えました。

たったひとつ、健太君が覚えていた犯人の特徴は、真夏の暑い日なのに何故か長袖のTシャツを着ていたことでした。
ひっぱたいた後に袖口を引っ張って腕を隠すような仕草をしていたことを、健太君ははっきり覚えていました。

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