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11.テニスの後の思い出話(2)

2012.01.17.Tue.00:00
「僕は大学の授業の帰り、渋谷駅のプラットホームに立っていて、夕方の下校時間の奇跡のように美しい情景を眺めていた。 ホームのあたりが真っ白に見えた。 改札口の前や、階段の脇や、ベンチの上や、電車を待つ行列や、目につくもの何から何までが白く染まっていた。 聖縄女学院の白セーラー服の集団だ。

純白セーラー服の下校時間は、まるで突然、渋谷駅に降り立った天使が白いペンキを塗って廻ったかのように鮮やかな白で埋め尽くされていた。 そんな、圧倒的な白さが光り輝く夕暮れの中で、僕は突然、あのときのショーツのことを思い出した。 そして、あのとき視野を覆い尽くした白い世界がもたらした心の震えがいったい何であったのかを理解した。 それは充たされることのなかった、そしてこれからも永遠に充たされることのないであろう少年期の憧憬のようなものだったんだ。

僕はそのような焼けつかんばかりの無垢な憧れを、ずっと昔、どこかに置き忘れてきてしまって、そんなものがかつて自分の中に存在したことすら長い間思い出さずにいたんだ。 あのときの純白ショーツが揺り動かしたのは、僕の中に長い間眠っていた僕自身だったんだよ…。

そして、それに気がついたとき、僕は殆ど泣きだしてしまいそうな哀しみを覚えた。 白いショーツは本当に本当に特別なものなんだ。 誰がなんとしても時代を超えて純白ショーツを守らねばならないんだ…」

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