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28.松岡先生

2011.11.29.Tue.01:26
松岡先生は憂鬱でした。
悪魔のお道具の件は、一部の教師限りということで緘口令がひかれ一件落着しましたが、由樹先生はこうおっしゃったのです。
「悪魔のお道具を学校に置いておくわけにはいきません。 学校が穢れます。 でも証拠品ですから捨てるわけにはいかない。 これは松岡先生が保管なさっていてください。 あなたが拾ったのですからね?」

忌わしい悪魔のお道具を、これからずっと自分の部屋に置いておくと思うと、松岡先生はうんざりしましたが、学年主任の由樹先生には逆らえず、仕方なくかばんに入れて一人暮らしのアパートに持ち帰ることになりました。

電車から降りて、駅からアパートまでの帰り道をゆっくり歩きながら、松岡先生は考え事をしていました。 もうすぐ夏休み。 3年生が一学期終了と同時に引退した後のテニス部の新部長に誰を指名するか。

「候補は2年生の広本と安藤のどちらかだろうなぁ」
広本は涼子、安藤は亜紀のことです。二人ともテニスの腕は群を抜いていました。
「うーん、どちらも新部長に相応しいが、やはり性格からすれば広本かな」
松岡先生はある日の涼子の行動を思い出しました。

その日の放課後、松岡先生がテニスコートに向かうと、涼子が校舎の陰から手招きしています。 先生が近寄っていくと、涼子は突然スカートをまくりあげました。 純白のショーツのうえにきりりと「股お縄」が締められていました。

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「先生、私最近、気になる男子がいて、あまり練習に身が入らなかったんです。 でも、もうすぐ3年生の先輩方も辞めるし、大会も近いし、こんなことじゃいけないって思いました。
今日から心を入れ替えて頑張るつもりです。 異性への渇きを抑えるにはクロ縄が良いんでしょう? 気合を入れようと思って、自分でやってみたの」


「今日はこのまま練習します!」
そう言うと涼子は部室に走って行きました。
暫くすると、ボレーの列に加わっている涼子の姿が見られました。
股お縄の上にアンダースコートを穿いて準備してきたようです。

その日、涼子の動きはさすがに少しぎこちなく、時々内股になって、せつなそうな表情をしていましたが、最後まで練習メニューをこなして帰っていきました。
その真摯な姿に、松岡先生は非常に感心したのです・・・。

新部長の結論がでたところで、丁度、アパートに到着しました。
ドアを開けると、誰もいない部屋は昼間の熱気がこもってサウナのようです。 急いでエアコンを点けようとしたのですが、リモコンの電池が切れたらしく作動しません。
「これはマズイなあ。どこかに電池がないか」
買い置きの電池がなく、困っていた松岡先生はあることに気がつきました。
「悪魔の力を借りるのは不本意だが・・・こう暑くてはたまらん」
かばんの中から例のものを取り出し、電池ケースの筒の蓋を開けてみました。 予想どおり、単3電池が2本入っていましたが、先生はこのとき、別のものに視線が吸い寄せられました。

激しく動かしても電池が接触不良を起こさないようにしたのでしょう、幅2cmくらいの粘着テープが2本の電池に貼り渡してありました。 その粘着テープは一般的な透明なものでなく、真っ赤な地に金銀の星屑がちりばめられている美しい印刷がされた装飾テープで、お菓子の袋の口を貼るのに使うようなものでした。

松岡先生は首をかしげました。 その装飾テープは、どうも以前、どこかで見たような気がしたのです…。

******************

数日後、松岡先生は涼子のクラス担任である久美子先生に、テニス部の新部長を涼子に指名することとその理由を報告しました。
ついでに例の装飾テープの切れ端を発見したことを話し、ポケットから取り出して久美子先生にお見せしましたが、
「何か月か前に、どこかで見た覚えがありますけど、ごめんなさい、はっきり思い出せません」
というお返事しか頂けませんでした。



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