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14.黒島をめぐる冒険(2)

2012.04.25.Wed.00:00
巡視艇の窓越しにどんどん離れていく品川埠頭を眺めていると、7年前黒島に渡った日の記憶が蘇ってきました。 怖かったけど楽しかった高1の夏休み。 あれから7年、あっという間だった。

麻衣はその後、専門学校時代バイト先で知り会った男性と大恋愛の末結婚して、去年赤ちゃん誕生。 今では麻衣の口から、蓮くんのれの字もでてこない。 というか、結婚式で黒島の話題が出たのに、麻衣は何故そこに行ったかを覚えていなかった…。

愛美は体育大学を出て、今年フィットネスクラブのインストラクターに就職。 男性会員に無茶苦茶な負荷をかけて虐めるのが楽しくて仕方がないと言っていた。 男性を汚い物のように見下し、虫けらのように扱う愛美に、ますます男性会員のファンが増えて困っているとか…。

香織は私と同じ女子大の法学部を卒業して弁護士事務所勤務。 司法書士の資格を取りたいみたいで、コツコツと勉強して努力している…。

あの時の皆は、もうすっかり大人になってしまった。 16歳の夏休みは二度と戻ってこない・・・。

そもそも、私たち四人が初めて出会ったのは、もう15年前のこと。 まだ小学4年生のとき。 みんな別々の小学校に通っていたけど、私立中学受験塾で同じ聖縄女学院志望クラスになったのが初めての出会いでした。

ある日、テストの最中、麻衣がお手洗いに行きたくなって男性の塾講師にお願いしたのに訊いてもらえませんでした。 「もう少しで終わるから我慢しなさい」って。
でも麻衣は我慢できなくて、しくしく泣き出してしまった。 すると横に座っていた香織が麻衣の手をとって、決然と立ち上がったのです。 「さ、お手洗いに行こう!」 
後ろの席だった愛美も憤然と立ち上がって、「女の子のこと、もっと考えなよ!だから男って嫌い」と塾講師を睨みつけました。 愛美の隣にいた私も麻衣が可哀そうで「大丈夫? さあ、一緒に行こう?」と言ってハンカチを渡してあげました。

塾講師や他の生徒が驚いて眺めているのもかまわず、四人は通塾バッグを持って立ち上がり、お手洗いに行って、その日はそのまま教室に戻らないでマックに寄って、塾の悪口を言い合ってから家に帰ってしまいました。
みんなママから叱られたけど、それ以来、四人はずっと友達になりました。 愛美の言葉を借りれば、「ガキのころからの腐れ縁」なのです・・・。


私が昔を思い出して物思いにふけっていると、横から冬彦さんの笑い声が聞こえてきました。
我に帰った私が、
「何か面白い話なの?」
話しかけると、冬彦さんはまだくすくす笑って、
「うん、この船を借りることができた経緯を教えてもらっていたんだけどね」

「そうなのよ、tomokoちゃん」
美咲さんもこちらを向きました。
「冬彦先生(美咲さんはそう呼ぶのです)から、黒島に行きたいって頼まれたとき、ちょっと困ったのよ。
彼には何回も迷宮入り事件の真相を教えてもらっているから、頼み事は何でも訊いてあげたいんだけど、東京湾は警察の領域じゃないの。 
水上警察の巡視艇では島に行けなくて、海上保安庁でないと駄目なのよ。

事件そのものは7年前に結了していて、公判資料にも必要とされなかった謎をいまさら解決するっていうのは、公用でなくて私用でしょう? 海上保安庁に依頼する理屈がたたないの。 それで、仕方ないから、」

美咲さんは無邪気に言い放ちました。

「ある人物を脅迫したのよ」

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コメント
No title
おはようございます^^

いえいえ、連の名を出していただき光栄に思っております。
これからも機会があればぜひ使ってやってください。
No title
まあ様

渋一№1モテ男子蓮くんのお名前をお借りしておきながら、このようなオチになってしまい、誠に申し訳なく思っております。
真依子様によろしくお伝えください…。

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