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44.伝説の真相(6)

2012.03.14.Wed.00:00
「ねえ、tomokoちゃん。 何か気をとられていることがあると、人の話が違って聞こえることがあるよね?」
冬彦さんは、枕の上で顔を横に向け、私の眼を見つめて少し悪戯っぽく微笑みました。

「例えば、大好きな男性と一晩一緒に過ごしたいなぁと思っていると、『お隣り』が『お泊り』に聞こえるとか…。 それから、アレを着けるよって言ったのにつけないでとか」

「やめて!」
私は照れて彼に背中を向けました。
「やーね。意地悪」

冬彦さんは笑って、
「ごめん、ごめん。でも、敦子さんのケースはまさにそれだったんだよ。

敦子さんは転落する前、梯子を登りきって塀の上に立ち、お寺の方を向いていた。
塀の両側に目撃者がいて、彼女の身体には虫一匹触れていないと証言している。
何の物音も無かった。 雑木林にも変わったことは無かった。

学校側では、テニス部員たちが黙って彼女の背中を見上げていた。
お寺側の雑木林では、小学生が二人しゃべっているだけだった。

ということは、論理的に考えれば、彼女に何か影響を与えたものといえば、小学生の声しか無いよね?

しゃべったのは健太君だけだ。 健太君の発言は、敦子さんの方を見て 『おい、見ろよ。おぱんつ、おぱんつ』、敦子さんの立っている塀を指差して 『蝉っ、あそこに大きな蝉!』、そして蝉が飛んで 『うわっ、おしっこだ、おしっこ。汚ねぇ』の三つだ。

tomokoちゃんが教えてくれたことだけど、真夏のテニス部員がいつもするように、蒸れるから薄地のアンスコ直穿き、あるいはショーツ一枚だけしか穿いていなかった敦子さんが、お手洗いから戻ってきてすぐに登った塀の上で、健太君の声はどう聞こえただろうか。

『おい、見ろよ。おぱんつ、おぱんつ』、『しみっ、あそこに大きなしみ!』、『うわっ、おしっこだ、おしっこ。汚ねぇ』と聞こえたかもしれないよね? そして自分でもその自覚があったとしたら?」

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